取締役の不正追及事業承継の弁護士

【弁護士に寄せられた悩みゴト2】取締役の不正を追及したい取締役の不正追及

不正を行った取締役をそのまま放置し何らその不正について責任を追及しなければ、会社の損害が更に拡大する可能性があります。
また、他の取締役についても、その責任追及しなければ、善管注意義務違反(会社法330条、民法644条)の責任や、代表取締役、その他取締役の業務執行一般の監視責任を問われることになります。
そのため、不正を行った取締役に対する責任追及の方法について、Q&A方式にて紹介します。

お悩み1取締役Bは、不正を働いた代表取締役Aを株主総会にて解任しようとしたが、A自らが80%の株式を保有しているため、解任決議を得ることができませんでした。Bは、このまま見過ごすしかないのでしょうか?なお、Bは、5%の株式を保有する株主でもあります。

代表取締役の不正の追及のため、株主総会をもって解任し会社から追い出そうとしたが、失敗した事案です。

弁護士が教える解決方法

Bは、株主総会決議から30日以内に取締役の解任の訴えを提起して、解任できる可能性があります。

弁護士による解説
<取締役の解任の訴え>

不正を働いた取締役を解任する方法は、まず、株主総会にて取締役の解任決議をとることが考えられます。
この方法は、ある取締役の解任を考えている取締役が自ら過半数の株式を保有している場合や、株主の中に協力者がいて議決権の過半数を確保できる場合には、有効な方法です。
しかし、解任対象の取締役が議決権の過半数以上を保有する大株主である場合や、この取締役を支持する株主が多数派である場合は、この方法では解任することは難しいです。
そこで、2つ目の方法として、取締役解任の訴え(会社法845条)を提起することが考えらえます。
この訴えによって解任するには「職務の執行に関し不正の行為または法令若しくは定款に違反する重大な事実があった」といえなければなりません。
そのため、経営能力不足であるとか、信用に足る人物でないといった抽象的理由によって解任の訴えを提起することはできませんのでご注意ください。
また、事前に取締役解任の議案が株主総会で否決されたこと、原告が6か月前から3%以上の株式を有していること、「否決された株主総会決議から30日以内」と短期間に訴えを提起することが必要となります。

なお、訴えの提起前に事前に検討しなければならないことがあります。
取締役解任の訴えが裁判所で認められた場合、当該取締役は判決の効力として取締役の地位を失うことになります。しかし、会社法上、解任判決によって取締役の地位を失った者についても、株主総会で再度、取締役に選任することが許されています。そのため、解任された取締役自身が大株主である場合や、多数派株主の支持を得ているような場合は、解任の効果は一時的なものにとどまり、解任を行うだけでは抜本的な解決とならない場合もあります。
そのため、提起前には、会社の株主構成等にも目配りをし、解任の訴えが事態を解決するために有用な方法となるのかどうかをよく考慮する必要があります。場合によっては、訴えた後裁判所の判決までに株主対策が必要となることがあります。
取締役解任の訴えが有効な解決方法なのか、訴え以外に対策が必要なのかについては、ケース毎に異なりますので、まずは当弁護士事務所までご相談ください。

本件では、5%の株式を保有するBは、株主総会決議から30日経過していなければ、まずは、取締役解任の訴えを検討すべきであるといえます。その結果、有効な解決方法であるとわかれば、すぐにでも訴えの提起を行うべきです。

<株主総会決議取消等の訴え>

株主総会決議の取消等の訴えの説明については、こちらの解説をご覧ください。

本件では、Aを選任した株主総会またはその決議に関して取消、無効、不存在事由があるのであれば、Bは、株主総会決議の取消の訴え、株主総会決議の無効確認・不存在確認の訴えを提起することができます。なお、株主総会決議取消の訴えについては、選任決議から3か月以内に提起しなければならないという期間制限がありますのでご注意ください。

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お悩み2会社に損害を与えた取締役に損害賠償責任を追及するにはどうしたらよいですか?

弁護士が教える解決方法

取締役に対し、損害賠償責任を交渉または訴訟にて追及するとともに、必要に応じて取締役の財産に関し仮差押を行うことができます。

弁護士による解説
<損害賠償責任>

取締役が故意または過失によりその任務を怠ったときは、会社に対し、会社が受けた損害を賠償しなければなりません(会社法423条)。

取締役の任務懈怠の有無は、以下の点から判断されます。
  1. 善管注意義務違反取締役は、取締役たる地位にある者に通常要求される程度の注意を尽くして、その職務を遂行しなければならない義務(『善管注意義務』会社法330条、民法644条)を負っており、これに違反した場合には、取締役の任務懈怠が認められます。
  2. 忠実義務違反取締役は、法令・定款・株主総会の決議を遵守し、会社のために忠実に職務を遂行する義務(『忠実義務』会社法355条)を負っており、これに違反した場合には、取締役の任務懈怠が認められます。
  3. 利益相反取引の制限違反取締役は、会社に損害を与える可能性がある利益相反取引について制限があり(会社法356条)、これに違反した場合には、取締役の任務懈怠が認められます。

その他、『経営判断の原則違反』、『競業避止義務違反』(会社法356条)などもあります。

<財産の仮差押>

取締役から損害分の金銭を確実に回収するため、訴訟提起前に、取締役の財産を仮差押しておくべきです(民事保全法20条)。なお、仮差押に際して、仮差押目的物の価格の15%から35%の担保金が必要となります。

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お悩み3利益相反行為をして会社に多大な損害を与えた取締役に対し、刑事責任を追及したいのですが、どうしたらよいですか?

弁護士が教える解決方法

特別背任罪その他犯罪にあたる場合には、警察に対し告訴状を提出することができます。

弁護士による解説

取締役が自己または第三者の利益を図りまたは会社に損害を加える目的で任務に背いて会社に損害を与えたときは、特別背任罪として10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金に処せられます(会社法960条)。
その他の犯罪行為(例えば、詐欺(刑法246条))を行えば、それぞれ刑法に従い処罰されます。
不正を働き、犯罪に該当する取締役について告訴するにあたっては、当弁護士事務所にて犯罪行為の特定、告訴状の作成などアドバイスいたしますのでご相談ください。

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